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『ヨガって敷居が高い・・・』にまつわる誤解と3分でできるヨガ ルーティーン
心身の健康促進のためのツールとして人気が高まるヨガ。
一方で、『体が硬いから私には無理』『ヨガって意識高い系の人がやるもの』といった思いを抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実はそれって大きな誤解!それでヨガをやらないという選択肢を選ぶのは勿体ないと筆者は思います。
この記事ではヨガにまつわる誤解と、日常生活にもなじみやすい、簡単でシンプルなヨガをご紹介します。
【ヨガにまつわる誤解とは?】
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- 1.ヨガは身体が柔らかくないとできない
最近では、体が柔らかい人がSNSで見栄えするヨガポーズを載せている写真や、ヨガスタジオの広告でモデルさんも難易度の高いポーズを取っているのを目にする機会が増えましたよね。
そのせいか、『ヨガは身体が柔らかい人がするもの』『硬い人はできない』といった 声をよく耳にします。しかし、それは大きな誤解。なぜなら、ヨガの本来の目的は 『心身の緊張をほぐし、心の安定・やすらぎを得る』ことだから。
確かに、体の柔軟性が求められる難易度の高いポーズもありますが、それが全てではありません。
それぞれの身体の状態に合う練習を行い、心地よさを感じられればそれで良いのです。
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- 2.長い時間練習しなければならない
ヨガインストラクターを始め、確かに毎日長い時間ヨガの練習をている方もいます。しかし、長い時間練習することが正しいかというと少し違います。正確には、 『1日の時間は短くても、長期間に渡って続けることが大切』なのです。ですから、ご自分の日常生活に支障を来たさない範囲で行う方法を探していきましょう。
筆者は臨床心理士なので、続けるモチベーションを保つために大切なことを心理学的に紐解くと、まずは簡単にクリアできる順に細かく段階分けし、それを一つずつクリアするというステップが大事。今の自分の生活の中で、何分くらいならヨガの時間を作れるかを考えてみましょう。最初は3分・5分といった短い時間でも良いと思います。慣れてきたら、そこから時間や内容を増やしていったり、その日に作れる時間に合わせて、ヨガの内容を変えていくのがオススメ。
(ちなみに筆者のヨガの練習時間は3分から60分程度と日によって違います)
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- 3.ヨガを行う環境を作るのが難しい
十分なスペースを保てるお部屋があって、かつヨガマットなどのグッズが揃っていれば、できるポーズの数や種類もグッと増えます。しかし、スペースなどの関係で難しいこともありますよね。そんな時は今自分の環境にある資源を活用しましょう。例えば、ベッドや布団の上で行う、ヨガマットの代わりにバスタオルを使うなど、グッズやスペースが限られていてもヨガを行うことはできますよ。
【日常の中でも続けやすいヨガのルーティーン】
◆慌ただしいけど少し落ち着きたい朝に・・・座って行うヨガ
仕事の都合上、早朝に家を出なければならなかったり、支度に時間が必要だったりとバタバタする朝。そんな忙しい朝に筆者がオススメするヨガのルーティーンはこちら。
《ポーズ》キャットアンドカウ
四つん這いの姿勢を作ります。吸う息に合わせてお腹が下、頭頂と尾骨が上になるよ うに、吐く息で頭と骨盤を内側に入れるように背中を丸める。これを2〜3回行いましょう。
《呼吸法》片鼻呼吸法
正座の姿勢になります。 利き手を鼻の前に持ってきて、人差し指と中指を折りたたむ。 そして、親指を片方の小鼻、残り2本の指をもう一方の小鼻の上に置きます。左の小 鼻をふさぎ、右の小鼻から息を吸います。今度は右の小鼻をふさいで左の小鼻から吐 き出します。また左の小鼻から吸い、右から吐き出します。 5呼吸ほど繰り返しましょう。
《瞑想》呼吸に意識を向ける
正座のまま両手を膝の上に置き、呼吸の音を聞くことに意識を向けます。5呼吸行っ たら、吸う息で肩を持ち上げ、吐く息で脱力してリセットしましょう。
キャットアンドカウや片鼻呼吸法は自律神経を整えてくれる効果があると言われています。また、呼吸に意識を向ける静かな時間を作ることで、自分自身を客観的に見つめることができ、落ち着いた状態で1日を過ごすことができますよ。
◆すぐにでも眠りたい夜に・・・ベッドの上で行うヨガ
一日の予定をこなし、もうクタクタ。そんな時こそヨガや呼吸法を行ってから休むことで、眠りの質が高くなり、翌日の疲労回復にもつながりますよ。そのまま眠りに落ちても良いように、ぜひベッドの上で行ってみてください。
《ポーズ》ワニのポーズ
両手を肩からまっすぐ伸ばします。両ひざを立てて、右足を左足にひっかけます。息を吸って、吐きながら両膝を右側に倒し、顔は左を向きます。3〜4呼吸繰り返したら反対も同じように行います。
※写真のように下の足を伸ばしてもかまいません。
《呼吸法》シャバーサナ&腹式呼吸
あおむけの状態で、シャバーサナを行っていきます。その際に腹式呼吸を意識して行い ましょう。 まずは身体全体に力を入れ、脱力します。今度は顔周りを緊張させ緩めます。今度は お腹を風船に見立てて、吸う息でお腹をふくらませ、吐く息で萎ませていきます。ゆったりと5〜7呼吸行いましょう。
ワニのポーズは、身体全体の緊張をほぐし、巡りをよくしてくれる効果があります。また体側をねじることで、呼吸がしやすいというメリットも得られますよ。最後はシャバーサナという呼吸法でリラックスモードへと入っていきましょう。
【まずは短時間から!】
ご紹介したように、ヨガの練習は実はこんなに短くて簡単な内容からで良いのです。大切なのは、続けること。慣れてきたら1つずつポーズを増やしてみたり、呼吸法や瞑想の時間を長くしてみたりとレパートリーを増やして、自分のためのヨガの練習を見つけていきましょう。
ライター/南 舞
臨床心理士。岩手県出身。多感な思春期時代に臨床心理学の存在を知り、カウンセラーにな ることを決意。大学と大学院にて臨床心理学を専攻し、卒業後「臨床心理士」を取得。学生 時代に趣味で始めたヨガだったが、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウ ンセリングと近いものを感じ、ヨガ講師になることを決意。現在は臨床心理士としてカウン セリングをする傍ら、ヨガ講師としても活動している。
Instagram:@maiminami831