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LTD MAGAZINE

未来ある子どもたちへヨガを!【がっこうヨガプロジェクト】レポート<後編>

〈前編〉〈中編〉

 
ADVOCATEたちが中学生にヨガ指導をして感じたこと
今回、久留米中学校で行われたヨガの授業に講師として参加したADVOCATEの西林さきさんとTSUKIさん。
2人とも中学生にヨガを指導するのは初めてなのだそう。そんなお2人にも感想を伺ってみました。
 

―レッスンを行ってみてどうでしたか?
西林さん(以下,西林):教育現場でレッスンをさせていただいたのは初めてだったのですが、中学生の身体面・精神面のリアルを見られて非常に勉強になりました。
一方で、子どもたちにヨガを伝えていく際にどんな声かけをするか、話の内容をどうするかなど課題もたくさん見えました。
男子生徒さんを見ていて気になったのは「身体の小ささ」「姿勢の悪さ」「肩こり(肩甲骨周辺の硬さ)」です。
これは自分が想定していた以上のものでした。
そして、最後のシャヴァーサナを終えた後の子どもたちの安心した表情を見ると、普段の眠りの浅さや疲れが出ていてだるそうな様子が伺えて、1日でも早く幅広い世代の人たちがヨガや瞑想でセルフケアすることが当たり前になる世の中を作りたいと強く感じました。
中学校でのヨガ指導は、そんな目標を持つ私にとって大きな一歩となりました。 

 
TSUKIさん(以下,TSUKI):初めて中学校でのヨガ授業を体験し、とても楽しい時間を過ごすことができました。
授業の始まりに「ヨガ、知ってる人?」と質問したのですが、ほとんどの子が手をあげてくれて、ヨガの認知度が高まっていること、日常にヨガが浸透してきていることを実感しました。
今回一緒にヨガの時間を過ごした中学1年生の女の子たちは、自分が想像していた以上に素直でニコニコしながら話を聞いてくれて、初めてとは思えないほどポーズも安定していた事に驚きました!最初は緊張していた様子の生徒たちも、終わった後は帰り際に元気に挨拶してくれたり、「眠くなった!」「リラックスできた!」という感想をもらえてうれしかったです。
クラス中の気づきとしては、キツいポーズやバランスポーズでもじっと耐えたり、何度でもチャレンジする子が多かったので、「周りと違う事」をしたり、「自分の意思でお休みする」という事にはまだ慣れておらず、ついつい頑張ってしまう子が多いのかも?ということ。 ヨガの時間で大切にしている「周りと比べない事・自分に無理をしない事」を通して、子どもたちの本質的な気づきに繋がり、ヨガをより日常的に行ってもらえるよう、今度も活動を続けていきたいです。 

 

 
−今後何かやってみたいことや新たな目標等はできましたか?
西林:SNSに中学ヨガのお話を載せた際、インストラクターや学校教師からその活動に賛同するメッセージを多数頂きました。
同じような志を持っている人が多いことを感じたので、自分がプレイヤーとして現場でヨガを発信するだけでなく、全国の教育機関に同じ思いを持った講師を派遣できるような仕組みを作りたいと思いました。
また、子どもたちにヨガを継続的に伝えるためには、まず学校関係者の方々にヨガの効果や良さを実感していただくことが大事だと思います。
教職員向けのヨガレッスンやヨガ教材の拡充も早急に行いたいなと。

 
TSUKI:先生方とお話しする中で、体育や総合、道徳の授業、朝活動の1〜2分間、学校行事内など、子どもたちにとって【がっこうヨガ】と自然に出会うチャンスはたくさんあることに気づきました。
子どもたちのためにも、ヨガが単発的なイベントではなく、継続して取り組める形をつくりたいと思いました。
50分の授業の中では、子どもたちとコミュニケーションがとれる時間があっという間に過ぎ去ってしまうので、もっと一人一人と話したり、気軽に相談してもらえるような関係づくりをすることが今後の目標です! 

 
がっこうヨガ、今後の課題や目標は?
最後に、太田さんに今後の課題やどう活動していきたいかを伺いました。

−授業としてやってみて、今後課題だと思うことは?
太田:学校教育にカリキュラムがたくさんある中で、ヨガの時間を授業中に持つことは、デメリットもあります。
なぜかと言うと、ヨガはリラクゼーション効果もあるので眠くなってしまう可能性もあり、次の授業に支障をきたすことが多くなるかもしれないからです。
なので、ヨガクラブとか、放課後に活動できるものとしてできたらいいかもしれないですね。
また、先生方が仰っていたように、ヨガを評価するのは難しいので、まずは年間1・2回くらいの心の授業として入れるのが現実的かなと思っています。
今後は、学校でできるヨガのプログラムを充実させていくことや、ヨガ講師だけでなく、学校の先生の中にもヨガを教えられる人を増やすことでしょうか。
あとは、放課後支援の学童やデイサービスでヨガのプログラムがもっと増えたらいいなと思っています。
「子どもにヨガを教えたい!」と思っている人は多いけど、「どうやればいいのかわからない」「子どもたちに合わせたプログラムを作る方法がわからない」といった声も多く聞くので、その辺をレクチャーしていきたいですね。
あとは、予算ですかね(笑)。予算があればできることも増えるので、今後に期待しています。


今回、中学校でのヨガ授業に参加し、ヨガが大人だけでなく子どもたちにとってもとても有効なものであること、大人になる前の早い時期から、自分で自分をケアするという視点を学ぶことの大切さを実感することができました。
これからも未来ある子どもたちのためにできることを、LIFE TUNING DAYSは考えていきます。

LIFE TUNING DAYS 編集部